Self Review / ◆Yuy ◆Karita

はじめに

3, 5, 6, 9 曲目にゲスト参加の Karita です。音楽作るのめっちゃ苦手です。最近、洗面所の排水溝が臭いのが悩みです。

各曲紹介
1.  Swallowtail / 永渡

印象的な語りから本作の意図したスケールの大きさを予感します。 良い意味で最初からクライマックス。 2番のAメロ終わりのボーカルはとってもズルいですね...。語りの雰囲気も大変ズルいです。

2.  Redbox

コンテンポラリ寄りなインスト曲。 トライバルっぽい濃厚なビートとノイズが本作の革新を期待させます。 サックスはZさんとかKさんを彷彿させます、これはズルいですね...。

3.  kakophony / theta

私の提供曲です。 闇鍋みたいな「ぼくのかんがえたさいきょうのおんがく」を実際に作った曲です。 私もYuy氏も捻ねくれ者なので "harmony" の対義語を真っ先に考えタイトルにしたようですね。 当初はインストとして作っていたのですが、説得力のある歌を入れて貰い感無量です。

4.  孤独の残骸 (disharmony version) / tomo

前作からのリバイバル。 実に爽やかな歌ですが、さらにオケはヒートアップしてパワフルになっています。 とくに二番のブリッジで、鋭利なドラムに惚れます。 時折ファンクっぽい細かいノリが面白くて、ズルいですね。

5.  Disharmony / 沙羅

編曲で一部、参加しました。 ダブルに引き続き、とても困難なミックスを仕上げて頂き感謝です。 沙羅さんの曲は前作でも担当しましたが、再度関われて嬉しいです。 実に美しいコーラスが、今回もズルいですね。

6.  overflow / nayuta

私の提供曲2です。プログレッシブハウスっぽい曲です(単なる4つ打ちでは...)。 新たな相棒としてAbleton LiveとMaxMSPを初めて使いました。 とにかく英詞だったり、仮歌を録るのが死ぬほど難しかった記憶があります (nayutaさん本当にすみませんでした)。 2番サビにおける歌の生々しいニュアンスが個人的なハイライトに思えます。 イントロやサビのパートは殆ど歌に感化されて作りました。

7.  My humanity / 永渡

歌詞を見ようとするとインスト扱いで残念ですが、造語でしょうか。 とてもYuy氏らしい退廃的な楽曲です。 Swallowtailと同じく永渡さんのボーカルは、 こちらも物憂げな表情と、安定感がズルいですね。

8.  One's hope (remix) / nayuta

ほぼ唯一の安らげる落ち着いた美しい曲です。 そのせいか、私の中では一番リピート率が高いです。 まるで音の滝のように、ノイズが押し寄せるのをちょっと離れて聞いてる感じが好きです。 原曲と前のremixからして、とても良いのでズルいですね。

9.  シグモイド / theta

私の提供曲3です。 ブリッジで、歌のメロディが割と無茶な音の飛び方をしていますが、 しっかり力強く歌って貰えてさすがthetaさんだなと思いました。 全体は前作で設けた旋律の禁則をやめた結果、ポップな感じになりました。 ただ曲名と歌詞は全くポップではなくて、よくSF小説にでてくるAI関係の技術がモチーフです。 ちなみにサビの双曲線というのはこれもハーモニーで出てくる、 脳神経の出力を再現する関数で、そいつと同じ位人気なやつがシグモイドです。

10. nullus / nayuta:沙羅

制作に関わっていないアルバム中の曲で一番好きです。 文句無しにアルバムで一番かっこいいイントロです。 続くAメロも歌詞の語感の良さが、歌声も相まって素晴らしい。 また、歌に絡む心憎いギターも特筆すべきでしょう。 こういうのサラっと弾けるとめっちゃカッコいい。何もかもズルいですね。

11. Analoghack

このレビューを書きながら、寝落ちしてしまい、ふと目覚めたときこの曲が流れてきました。 一定のパルスのような幻想的なサウンドスケープが心地よく、この曲にはイージーリスニング的な効果があると思います。 10 - 12 曲目の流れ本当に良い形式で、ズルいですね。

12. RERISE / 沙羅

じつに最後の楽曲に相応しいアンセム。 力強く、眩しい歌と詞によって、とてもポジティブな曲になっています。 非常に良い読了感がズルいですね。

あとがき

2014春の "Last Lovers" から、再度 Secret Messenger 作品に関われたことを大変嬉しく思います。 私は前作のLLから一切作曲というものをしていなかったので、あまり成長していないな...というのが正直なところです。 一方、Yuy氏は前作で職人的なサウンドを生み出しながら、本作では更に革新しているとリスナーとして感じました。
また今回も、楽曲以外でもアートワークや、特設ページ、装丁の素晴らしさに驚きました。 改めて、この作品の一員として微力ながら関われたことを光栄に思います。


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